筋肉痛がないと運動の効果はない?研究から考える筋肉痛と運動の関係

「昨日のレッスン、筋肉痛になりました!」
レッスンの翌日に、お客様からこんなお話を聞くことがあります。
反対に、
「今回は筋肉痛にならなかったけど、ちゃんと効いているのかな?」
と思ったことがある方もいるかもしれません。
運動をしたあとに筋肉痛になると、なんとなく
「しっかり運動できた」
「筋肉に効いた」
という感じがしますよね✨
でも実は、
筋肉痛の強さと、運動の効果はイコールではありません。
今回は、そもそも筋肉痛はなぜ起こるのか、
筋肉痛と運動の効果にはどんな関係があるのか、
研究をもとに分かりやすくご紹介します^^
筋肉痛と運動の効果にはどんな関係がある?
まずは、そもそも「筋肉痛」とは??
運動した翌日や翌々日に、
「階段を降りると太ももが痛い…」
「腕を上げたら昨日使ったところが痛い!」
そんな経験があると思います。
運動後、数時間から翌日以降に感じる筋肉の痛みは、
遅発性筋肉痛と呼ばれます。
特に、
・普段あまりしていない運動をしたとき
・いつもより運動量や負荷が増えたとき
・筋肉が力を出しながら伸ばされる動きが多かったとき
などに起こりやすいとされています。
こうした運動によって筋肉に負担がかかり、その後に起こる身体の反応などが、痛みに関係すると考えられています。
ただし、筋肉痛が起こる仕組みは、まだすべてが解明されているわけではありません。
筋肉痛は、普段とは違う運動の刺激を受けたときに起こりやすい反応のひとつです。
筋肉痛がある=筋肉がついた、ではない
ここが今回、いちばんお伝えしたいところ!!
筋肉痛になると、
「これだけ痛いから、昨日の運動は効いた!」
と思いたくなりますよね。
でも、筋肉痛が強いほど筋肉が成長する、というわけではありません。
2018年に発表された研究のまとめでは、
筋肉へのダメージが大きいこと自体が、
筋肉を成長させるために必要な条件ではないと説明されています。
つまり、筋肉へのダメージが少ない運動でも、
適切な負荷で継続することで筋肉は成長していきます。
反対に、強い筋肉痛になったからといって、
それだけで筋肉が大きく成長したとは判断できません。
「筋肉痛にならなかった=運動の効果がなかった」ではないんです。
前は筋肉痛になったのに、最近ならないのはなぜ?
これも、よくあることです。
初めて行ったエクササイズでは翌日かなり筋肉痛になったのに、
何度か続けていると、同じ運動をしても筋肉痛が少なくなることがあります。
実はこれ、身体が運動に慣れていくことで起こる自然な変化のひとつなんです。
2023年には、これまでに行われた複数の研究をまとめて分析した報告が発表されました。
その結果、同じような運動を繰り返した場合、
2回目の方が運動後の筋肉痛などが小さくなることが確認されています。
身体には、一度経験した運動の刺激に対して、
次からは筋肉への負担や痛みが小さくなるように適応する働きがあります。
つまり、
「最近、筋肉痛にならなくなった=身体に効かなくなった」
とは限りません。
むしろ、身体がその運動に慣れてきた可能性もあるんです。
ただし、慣れてきた運動をずっと同じ負荷で続ければ、
筋力などへの刺激が十分でなくなることもあります。
大切なのは、筋肉痛を目指して負荷を上げることではなく、
身体の状態や目的に合わせて、運動の難しさや負荷を少しずつ調整していくことです。
では、何を「運動の効果」の目安にしたらいい?
筋肉痛だけではなく、少し長い目で身体の変化を見てみると
例えば、
前より同じ動きが楽にできる
できなかった動きができるようになった
同じ運動でも身体が安定するようになった
以前より少し負荷を上げられるようになった
動いているときの余計な力みが減った
日常生活で身体を動かしやすくなった
こうした変化も、運動を続ける中で見ていきたいポイントです。
2026年に発表されたアメリカスポーツ医学会の研究報告でも、
これまでの多くの研究を整理した結果、
筋力トレーニングを継続することで、
筋力や筋肉量だけでなく、バランス能力や身体を動かす機能など、
さまざまな面で改善が期待できることが示されています。
運動の効果は、筋肉が大きくなることだけではありません。
自分の身体を思うように動かせるようになることも、大切な変化のひとつです。
ピラティスでも「筋肉痛になること」がゴールではありません
ピラティスのレッスンでも、
「今日はお尻に効いた!」
「普段使っていないところが筋肉痛になった!」
と感じることがあります。
もちろん、それも身体を動かしたあとの一つの反応です。
でも、毎回強い筋肉痛になる必要はありません。
ピラティスでは、ただ大きな負荷をかけるだけではなく、
身体をコントロールすること、必要な筋肉を使うこと、
安定した状態で動くこと、少しずつできることを増やしていくこと
も大切にしています。
例えば、最初はバランスを取るのが難しかった動きが、
何度か繰り返すうちに安定してできるようになったり、
以前は力んでいた動作がスムーズにできるようになったり。
こうした変化にも、運動を続ける意味があります。
「今日は筋肉痛になったかな?」だけではなく、
「前より動きやすくなったかな?」
「前より安定してできたかな?」
そんなところにも、ぜひ目を向けてみてください^^
身体の変化は、痛みだけでは測れません。
自分の身体の小さな変化を感じながら、無理なく運動を続けていきましょう🌿
参考文献
Damas F, Libardi CA, Ugrinowitsch C. The development of skeletal muscle hypertrophy through resistance training: the role of muscle damage and muscle protein synthesis. European Journal of Applied Physiology. 2018;118:485–500.
Doma K, et al. The Repeated Bout Effect of Multiarticular Exercises on Muscle Damage Markers and Physical Performances: A Systematic Review and Meta-Analyses. Journal of Strength and Conditioning Research. 2023;37:2504–2515.
Currier BS, et al. American College of Sports Medicine Position Stand: Resistance Training Prescription for Muscle Function, Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults: An Overview of Reviews. Medicine & Science in Sports & Exercise. 2026.





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